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「っ…………」
私にとって、聖夜は…………いつも優しさをくれる人。明るい笑顔をくれる人…………。
思い返せば、いつだってそうだった。初めて会った時から……聖夜の笑顔に、私は勇気を貰っていた。
聖夜の笑顔を見ていると……私にも、人のために生きることが出来るんじゃないかって思えたから。
私にも、愛されていい理由があるんじゃないかって、思えたから…………。
「……聖夜は、私の勇気。私に笑顔をくれる…………大事な、人」
「……そっか」
柊さんは小さく頷いて……ニコっと笑ってくれた。その明るい笑顔が、聖夜と重なる。
「分かった。聖夜のこと、よろしくね!」
「えっ…………?」
「あ、旭さんも、もっと自分に自信持ってね。あなた、きっと優しくていい人だから!」
「っ…………!」
優しくて、いい人…………?私が?
今まで、そう言われたことが無かったから……私は、なんて言えばいいか、分からなくなってしまう。戸惑いの中に、嬉しさが込み上げてきて……でも、思い上がるなっていう自信のない感情も湧いていて…………混乱してしまっている。
「柊ー!旭ー!飲み物買いにコンビニ行こー!!」
「あ、はーい。旭さん、行こ!」
「あ……うっ、うん…………」
色んな気持ちが渦巻いて、どうしたらいいか分からない私だったけど…………。
ほんの少しだけ、踏み出す1歩が軽くなった気がした。
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