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ゆっくりと
母、9月末に退院しました。大部屋ならではの音の問題で眠れなかったようで、少し早めの退院でした。現在は月に二度薬を投与してもらうスタイルで
自宅療養しています。
主治医にやんわりと入院を勧められたようですが、かろうじて身の回りの事は出来るのでこのまま自宅療養したい。でもパートナーや私に迷惑をかけるのが忍びないので考えてしまうと言います。
パートナーも私も迷惑ではないよと伝え自宅療養を続ける事になりました。
家が一番良いのわかります。
薬の投与は体力がないと受けられないというので、食欲がなかった最初の回は受けられませんでした。次回に向けて頑張ろう!でも無理せず食べたいものを食べられるだけを目標にしました。
本来生ものは控えるように言われていたようですが、果物の美味しい季節です。私も更年期には、果物が良いと教えて頂いていたので、りんご、梨、ブドウ、キウイ、みかん、etc。母の元に運んでは二人で果物三昧でした。
酸味や甘味で食欲も刺激されたのか、食事も取れるようになり、二回目の薬の投与を受けることが出来ました。
翌日は気分爽快で体も動いたようで、いつものように昼休憩の時に尋ねると、自分で洗濯物を庭に出て外に干せたと喜んでいました。
「薬がとっても体にあってたみたいだから、連休中は来なくていいからね、あなたも少し休みなさい」
母の言葉に甘え、日帰りで「湯布院昭和館」へ行ってきました。
昭和初期から1980年代までの家の様子、街並みを再現、並ぶ店の内部も詳細にディスプレイしてあります。洗練されてなんかいない、雑多でどこか猥雑な裏路地、こんな感じだったわ~となつかしさにまみれている昭和生まれの隣で、若者が異世界探検のように楽しんでいる、そんな、それぞれの年代がそれぞれの楽しみ方が出来る施設でした。
割烹着や呼び込みの法被、白衣、郵便屋さんのカバンと自転車、等々衣装も充実。いつもは素通りの私ですが今回は全部着て写真を撮りました。
中でも一押しはセーラー服です。実にうん十年ぶり💦
爆笑しながら着替え、撮影の時だけおすまし。映った姿を確認してまた爆笑。
母に見せて笑って貰おう作戦です。
翌日、撮ったあれこれを順番に見ながら笑ってました。作戦は無事成功かと思いきや、セーラー服を来た私の写真をゆっくりと撫でながら、すんすんと泣くではありませんか。
我が家は私が家を出た後で解散した為、私のアルバムは手元にありません。
あったとして肥満児でしたので見たくはないのですが(笑)。
中学生の○○ちゃんだ、とポツリ。
Σ(・ω・ノ)ノ!んなこたあないよ!脳内補正して見たらだめだよ、よく見てごらん、メガネがいるかい?
そういうとやっと笑います。
それでもこれを抱いて逝くといいます。棺に入れてくれと。
「写真はあげるけど、縁起でもない事言うのやめておくれ、来年の桜も見るんでしょう?」と聞くと頷きます。
来年桜が咲いたら母にもセーラー服を着せようと思います。
ゆっくりと季節は冬に向かってますね。
皆様もどうぞご自愛くださいませ。
2024年11月6日
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