始まりのモノクロ

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「まぁ、その名の通りっす!オカルトを研究する部活っすね!」 「まぁ、それはそうなんだろうけどさ」 質問はそこじゃないとばかりに、さらに険しい表情をする菊池。 「あの~南條さん。ちょっとひとつ聞きたいことがあるんですが」 「いや~先輩忘れちゃったんすか?オカルト研究部に体験入部させてくれって頼んだのは先輩方じゃないっすか!」 南條は白鳥と黒羽に向き直ると、不恰好なウィンクを披露する。 「いえ、その話じゃなくてですね」 「ふぇ!?」 意図違いに思わず情けない声をあげる南條。 「南條さんって同級生にもそんな話し方なんですね。敬語というか独特な」 「ああ。これっすか。これはそうっすね。もう口癖みたいなもんなんすよ。だから、気にしないでくださいっす。それにそれを言ったら、先輩も誰にたいしても敬語っすよね?私にはタメ口でいいっすよ」 「まあ、口癖みたいなものですから。そんな気になさらないように。そんな小さな事に拘っては、小さい人と思われてしまいますよ」 「え?数十秒前の会話は白昼夢かなんかだったんすか?びっくりするほど綺麗なブーメランなんすが…………」 そんな白鳥と南條の小気味良いやり取りに思わず笑みを浮かべる相馬と菊池。 黒羽はというと、相も変わらず涼しい表情をしている。 「それで?オカルト研究部のみなさんは菊池ちゃんに用事なんでしょ?できるだけ手短にお願いね!」 相馬はそう言い残して練習再開のために菊池を廊下に置いてドアを閉める。 「それで先輩方、私にお話があるということですが?」 4人は通路の邪魔にならないよう、教室と対にある窓際に寄って、白鳥と黒羽が窓を背にする形で向き合う。 「さて、話しっていうのはですね。約2ヶ月前に亡くなられた鎌田友恵さんという生徒についてなんです。何でも菊池さんは鎌田さんと仲が良かったとか?」 白鳥は探るように優しい笑みで問いかける。 一方、鎌田友恵という名前を聞くや再び険しい表情をする菊池。 「はい。仲は良かったですよ。だって幼なじみですから」 そう目線と声のトーン落とす菊池。 「幼なじみですか。じゃあ、ずっと一緒に育って来たというわけですね?」 その白鳥に問いに首を振って否定する菊池。 「いえ、小学校の高学年までです。中学時代は父の出張のためにこっちにはいなかったので」 「へぇ~そうですか」 白鳥は含みのあるように頷いて相槌を打つ。
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