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我が家に来るのはハンゴンサマという人で、それを知っている地域の人がいろいろ差し入れしてくれているようだ。
ハンゴンサマとは何者なんだろう? すごく大切な、特別なお客様だということは、子供の僕でも理解できた。
「陸斗、お前も着替えなさい」
母に言われて、用意してあった白いポロシャツと紺の半ズボン、白い靴下に着替える。僕を見る母の顔が心なしか曇っている気がした。
そのあと、台所に用意された夕飯を、手の空いた者から食べた。
大切な客を迎えるからか、家中に緊張が走っていた。そんな雰囲気に気おされ、僕は無駄口を叩くことなく黙々と夕飯を終えた。
父が仏間に僕を呼んだ。
仏間に入ると、父と祖父が仏壇に背を向けて座っていたので、その前に僕は正座した。
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