赤と白 第二章 1

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 「えっ……  渡辺圭介です。  私はガーラ村で歌劇Y&Aに出会えた事は衝撃でした。  私は彼女達が大スターとかで衝撃を受けたのでは無く、彼女達はガーラ村で歌やダンスで交流をはかり、一人一人と向き合ってくれていた。  だから、村の皆んなは彼女達に引き込まれていった。  彼女達が居なくなっても永遠と村の灯りが消えない感じだった。  村は争いが無くなり、村にはポスターが貼られて、歌劇Y&Aの信者が列を作り朝から晩までポスターの前で、お祈りでした。  私も彼女達みたいに人の役に立ちたい。  皆んなに喜ばれる人間になりたい。  そんな事を彼女達が私に教えてくれたんです。  私は日本に戻り、私が今の日本に貢献出来る事を考え、数々のアルバイトをしながら政治家になる事を目指す事に決めました。  しかし、そんな気持ちだけだったら駄目なんです。  地位も名誉もお金の無い私に誰も見向きもしてくれません。」   私は、一気に会場の雰囲気を悪くした。 「アイツ結局、選挙をいい事に若菜様を利用してるだけだよ!」 「若菜様も何で、わざわざ?」 「あの二人、もしかして…」  報道陣やカメラマンは一斉に、二人に沢山のフラッシュを浴びせた。 「二人の関係は?」 「渡辺さん、若菜さんの力を借りてまで選挙に当選したいんですか?」  マスコミや報道陣を止めるマネージャーはトイレの中だ。  若菜は、壇上を叩いて会場を黙らせた。 「私は、渡辺さんを応援します。  ネパールのガーラ村で見た渡辺さんの姿は本物です。  現地の人達にも愛されて、ガーラ村の少しの地域だけど豊かにしました。  私は渡辺さんだったら、この日本だって、もっと素敵な世の中が作れると思います。  そして、私は渡辺圭介さんを尊敬してます。」 「それって、お付き合いしてるって事ですか?」 「そう取って貰っても構いません!  私は、渡辺圭介さんが大好きなんです。」   「えっ……  若菜さん、どうして……  そんな事を…」    会場は、大変な騒ぎになった。  いやっ、日本中、いやっ世界中に広まった。    翌朝、テレビやマスコミは二人の話題で持ちきりだ。  特にマスコミは、私に取材が集中した。  私は若菜さんみたいに話が上手くないのでマスコミを避けて過ごしていた。    その頃、岡田社長はカンカンに怒っていた。 「いったいどう言う事だ!  島崎本部長!  なんで、マネージャーが中に入って二人の話を止めなかった!」 「すみません。  前田マネージャーは、何故かトイレにいたそうです。」 「何だと、トイレ???クビ、クビ、クビにしろ!  それに、茜まで!  あいつは現地の、何とかって部族にハマってるって、話じゃないか?  どうなってるんだ!  福岡歌劇団は恋愛禁止だよ!  分かってるの?  島崎ちゃん…… もう、頭が痛いよ…」  
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