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七・二人の行方
私は、若菜さんに尋ねた。
「若菜さん何で、あの場であんな事を……?
自分は嬉しかったですが……」
「すみません……
私の不注意な一言で、また思った事を直ぐに言葉に出しちゃった……
でも、渡辺さんを思う気持ちは本当です。
以前から……
沙月には悪いけど……
改めて言っていいですか?
私とお付き合いさせて下さい。」
「こんな私でもいいんですか?
宜しくお願いします。」
「若菜、テレビやマスコミで大変な騒ぎになってるけど大丈夫?」
「茜こそ、大丈夫なの?
実は私、渡辺さんと付き合う事に決めたんだぁ」
「えっ……
そうなの?」
私も、アタックしてみようかな……
アラザン様に♡、♡、♡。!」
そして、二人に福岡歌劇団から処分が下された。
一年間の公演禁止命令だった。
即刻、茜さんは南スーダンのアラザンの元に……
そして私は、市民から嫌われて、地方選挙にも落選した……
またしても、アルバイト生活だ。
しかし、私達は周りを気にせず、付き合い出した。
若菜らしい振る舞いで、私達は手を繋ぎ、街並みを平気で歩いた。
だが、ボディーガード付きだったが……
世間からは、私はヒモ扱いされた。
確かに、私はちょっと情けなかった。
「痛いぞ、痛すぎる。
あの二人を一年間公演禁止したら福岡歌劇団は、どうなるんだ!
うちのドル箱だぞ!」
「分かってますって、岡田社長。」
「島崎ちゃん、何かいい手は無いの?」
「う〜ん、ない事は無いですが……」
「何だい、それは……
もったいぶらずに言いなさい!」
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