赤と白 第二章 1

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 私から日本から来た皆様に挨拶をした。 「遠い長旅ご苦労様でした。  私、渡辺圭介と申します。  現在二八歳で、ここより少し山奥で青年海外協力隊のボランティアで農業指導員を行っています。  先程、隣に居たのが農業を教えてるリンです。  なかなか物覚えが良くって、びっくりです。  現在、こちらでもコシヒカリや秋田こまちなどの日本米も手掛けて、お花も作ってるんですよ。  是非、お暇が有ったら観に来て下さい。」  私は、全員に握手をしようとしたが女性二人は恥ずかしがって手を出さなかった。 「どうした?  お前達……  まさか、緊張してるのか?」 「父さん、やめてよ……」 「でも、お前たち握手会で沢山、握手してるじゃないか?  ねぇ、ジミー」 「握手会のファンとイケメンの渡辺君とは違いますよ。  男の免疫も出来て無いだろうし。」  全員が笑った。  しかし、若菜と茜は下を向いてるだけだった。  若菜達は村長の家に今日と明日、泊まる事になった。 「茜、あんた、男とまともに話した事ある?」 「あるに決まってるよ。  ジミー・ブラウンとか、カメラマンの人とか、全然、普通に喋れるよ。」 「そうじゃなくて若い同世代の男子だよ。」 「……。  話せないかも……  さっき、本当は手も出せなかった。  福岡歌劇音楽学校の時から男子禁制だったから、何か怖くて……」 「実は、私もなの……」 「おーぃ!  お前達、明日の準備は出来てるか?  誰も手伝う奴はいないぞ!  それと、あの男、お前達を狙ってるかも知れないから気を付けろよ。  分かったな、茜!」
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