赤と白 第二章 1

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 三・彩月との関係   「何故、二人は、沙月の事を……」    まず、若菜が自分の過去を話し出した。 「私は、門司に住んでいたんだけど、おばあちゃんの誕生日に、かすみ草をプレゼントしたの。  のちに、直ぐに分かったわ……  匂いを嗅ぐと、性格が変わるって。  気が強かった私は、女らしくなった。  数時間、約三時間だね。  信じられないと思うけど……  そして、自分が中学二年の時に沙月は、折尾に転校して来たの。  すごく清楚な子だったわ。  私は、おばあちゃんが大好きだった福岡音楽学校を目指して、沙月も応援して歌劇に入る事をいろいろ教えてくれたわ。  そして私は、福岡音楽学校に受かった日から沙月は、いなくなった。  いなくなったと言うより、沙月の存在自体が無くなったの…… 私の頭の中でしか沙月は、存在してなかった。」    続いて、茜が話し出した。 「私は中学三年の時、沙月と出会ったの。  私も門司に住んでいたけど、沙月が転校して来て、自信のなかった私に優しくしてくれた。  沙月は、福岡歌劇団を私に勧めてくれて、そして私は福岡歌劇団の男役にハマっていったの。  高校生になって、沙月とは連絡が取れなくなってしまった。  自信の無かった私は普通の高校に進学したの。  そして、家にあった薔薇を何気に匂いを嗅いだら、急に男らしくなって福岡歌劇団の事が忘れられなくて、高校を中退して福岡音楽学校に入ったの」   「それって、お互い沙月との出会いが重なってないって訳?」 「そうなの。  私の方が一つ歳上だから、先に沙月に会って、その後に若菜に出会ってるの。」 「茜ちゃんは、失礼だけど何歳?」 「私が二四歳、若菜が二三歳かな?」 「ちょっと待てよ………  沙月は、俺と同級生で中学三年で交通事故で亡くなった。  俺が今、二八歳、茜ちゃんが二四歳、四年後の話か……  そして若菜ちゃんは、五年後の話?」      
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