赤と白 第二章 1

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 四・見えない糸    そして翌日、若菜と茜は、私達の花畑に来てくれた。  ここがリンが所有している畑です。  【凄く綺麗でしょ!  全て、圭介が教えてくれたんだよ。】 「…。何って?」 「あぁ、綺麗でしょ!と言ってます。」 「わっ…ホント綺麗!」 「それに沢山の花畑。」 「全部、渡辺さんが栽培したんですか?」 「いえいえ。  私は、リンや現地の人達に栽培のやり方など指導しただけですよ。  でも、大学の時に勉強したけど、始めは、沙月や沙月の親から教わって花が好きになったんだ。  昨日、家に帰って、いろいろ考えたのですが私とあなた達二人が、こんな所で知り合ったのは沙月の見えない糸に引き寄せられて巡り逢ったかも知りませんね。」  「私も茜と巡り逢ったのは、見えない糸だと話していたんですよ。  そして、渡辺さんまで引き寄せられたって事だよね……」 「沙月のお陰で私達は、ここまでこれたわ。  この先も私達を応援してくれると思う。  渡辺さんは、この後どうするんですか?」  「今年で青年海外協力隊の活動期限がもう少しで満了するんですよ。  今は何も考えてないが、人の為に役立つ事をしたいと思ってます。  あなた達みたいに…あなた達は、これから…?」 「私達は、ネパール中を二週間滞在して、各地で舞台をして世界中に歌劇の素晴らしさをを伝える為に発展途上国を周るつもりです。」   「お前達、まだか!  ジミー達が待ってるぞ!」   「あっ、お父さんの事、忘れてた。」 「部長でしょ!  親離れしてないね!」 「違うって!どうしても、部長って呼びにくくって!」 そして、歌劇Y&Aは、発展途上国、エチオピア、イエメン、中央アフリカ、南スーザン、ルワンダ、ギニアなど三二ヵ国を二年間に及び周った。  各国の民族ダンスを覚えたり、生活を共にして、一緒の目線で現地の人達と生活している映像やライブ映像が全世界に流れ、歌劇Y&Aは、二年経っても二人の人気は衰える事なく、さらに帰国後も各国の著名人やロイヤルセレブが来日した時は招待されたりと二人の思ってもない道に進んでいった。  そして、ライブ映像で入った放映料で発展途上国の村に学校や病院と次々に建設した。  
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