赤と白 第二章 1

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 一・運命の出会い。        やっと出て来ました。  一番最初に私が出て来た事を、まだ覚えてますか?  私、渡辺圭介は北九州農業大学で農業を学び、その後、企業に就職するが、自分の思った仕事に就けず、三年で退社した。  自分は明るく住みよい生活を世界に広めたい野望が強く、各企業に自分の気持ちを前面に出して面接を受けたが気持ちが強過ぎ、面接官も圧倒され、どこからも合格の通知が来なかった。  そして私は、ニートになり悶々とした日々を過ごしていた。  その後、青年海外協力隊を紹介され、ここネパールのガーラ村を派遣先に選ばれた。  一年半前にガーラ村に来て日本の大学で学んだ技術を生かして、現地の人達に技術指導に来た。   「 हे! केइसुकेजापान आउँदैछ। गाउँ प्रमुखले मलाई सोध्यो यदि म सँगै सामेल हुन सक्छु!  【おい!  圭介、日本人が来ているそうだ。  村長が一緒に参加しないか聞いて来たぞ!】    こんな、ところに日本人が来てるのか?  それもショーをするだと……  観光気分で来られても困るんだけどなぁ……  【明日は、田植えの準備も終わった事だし行ってみようよ。】 【そうだなぁ…リン。  久しぶりに下の村まで行ってみるか。】     【よう、リン!  久しぶりだな!  隣に居るのが渡辺君か?】  【村長さん元気にしてた?   この人が渡辺さんだよ。  いろいろ教えて貰ってるんだぁ】 【初めてお目にかかるな、わしはグルン族の村長のガーハだ。】  【挨拶、遅れました。  わたし、渡辺圭介と申します。】  【ネパール語が、短い間で上手くなったなぁ…  ところで紹介したい人物がいるんだ。  紹介するよ。  こちら、ジミー・ブラウンさんとカメラマンの三人。  そして、日本から出た歌劇のアイドルの橋本若菜さんと島崎茜さんだ。  そして、その隣が島崎部長、マネージャーだな!  島崎茜さんの父親でもあるらしい。  渡辺君も、久しぶりの日本人再会だ。  今日は、ゆっくりして行きなさい。】  【はい。  時間は、あまり有りませんが、ご招待、ありがとうございます。】  【リンはワシらと久しぶりに呑もうじゃないか!】  【そうだね!】    日本から来た七人は、もちろん村長と私の会話は、分からず、ぼーとしていた。  
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