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俺はピザを食べながら恋夏のSNSを開いた。何かヒントになるものはないか。ページをスクロールしていくと、1枚の写真が目に止まった。恋夏が手にしているのはチョコだった。
『最近お気に入りのチョコ。ここなら一押しはコレ』
あのチョコレート専門店のチョコだ。だけどホワイトチョコじゃなくて普通のチョコだった。
さらに過去に遡ると、ティーカップだけが写っている写真が目に止まった。
『お気に入りのハーブティーがなくなってショック。代わりのお茶を探してたんだけど、これは彼も気に入ってくれたので、リピ決定』
チョコもお茶も、半年前とは全く違うものを選んでいた。チョコは、専門店だけあってカカオの風味を楽しみたいと言ってたし、お茶も色々試しながらお気に入りのルイボスティーを見つけたことをおぼろげながら思い出した。
俺はここ最近の恋夏の好みの変化に何一つ気づいていなかった。仕事が忙しいと自分の事ばかり主張し、家のことを任せっきりにして恋夏のこと何も見ていなかったんだ。
これが……恋夏が俺に伝えたかったことなのか。
今更何ができるんだろう。俺はせっかくくれた恋夏と向き合う機会を駄目にしたんだ。……いや、でも姉ちゃんはまだチャンスがあると言っていた。むしろ正解の日はまだ来ていない。
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