4-10.嵐の後

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「それと、今回のことは仕事でもなんでもないんだから、イヤなら妻役は申し出ないし、いくら元カノを納得させるためとはいえ、自分からキスだってしない、と思う……たぶん」 「え!?」 言ってしまったあとに、なんだか大胆告白をしてしまったようで、ちょっと恥ずかしくなっためぐみ。 まあ、実際、嫌じゃなかったんだよな~。 むしろ、気持ちいいとさえ思ってしまったし。 なんてめぐみが考えていた時、諒也がジリジリと近づいてきていることに気が付いた。 「…てことは、妻役はイヤじゃなかったし、俺とのキスもイヤじゃなかった、てこと?」 そんなハッキリ確認されると、正直に認めるのは気が引ける。 だってほら、諒也が確実に距離を詰めていて、なんだかちょっとヤバそうだ。 「ちょっと!なんでそんな近づくの?」 「うん?なんか声が聞き取りづらくて」 「いやいや、聞こえてんじゃん!普通に話してるし」 とうとう後ろに逃げ場がなくなった。 「俺の気持ち、知ってるよな?」 「ちょっと待って。近いって!」 めぐみが腕を伸ばして諒也から距離を取ろうとする。 諒也はその手を握って、めぐみのすぐ目の前まで迫る。 「諒也、いったん落ち着こうか」 焦るめぐみを無視して問いかける。 「もっかいしていい?」 「なんで!?」 「したいから」 「はあ?!」 「だってさっき、今はダメって言ったろ?なら、もういいんじゃね?」 さっきまでヘコんでたはずなのに、もう期待に満ちた目をしている。 「いや、だからそれは夫婦設定だからであって…」 「そんなんどうでもいいよ。とにかく、イヤじゃないんだろ?」 「そう、だけ……んっ」 話してる途中で諒也がめぐみにキスをした。 やっぱりこうなるのか。なかば覚悟はしていたが。 もう強引だなあ、なんて思いつつも、まあいっか、とめぐみは受け入れた。
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