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「待ってください!まだ、顧問の紹介が終わってませんよー。もう、まったく」
そう言って副部長の田辺さんはため息をついてから教卓に立つ。
「えーと、こちら顧問の」
「神永です。スクールカウンセラーやってます。どうぞよろしく」
神永先生は田辺さんの声を遮るように自己紹介をした。
メガネをかけていて年齢は五十代ぐらいだろうか。髪の毛には少し白髪が混ざっていた。
「活動内容はみなさんの知っている通りです。では今年もよろしくお願いします。では、解散」
田辺さんはそう言って佐久間部長の時と同じようにそそくさと部室を出ていった。その様子を見てなんだか部長と副部長は似ていると思う。
こうして私の所属する幸日部の活動が始まろうとしていた。私は期待を胸に空に向かって祈る。
「今日もいい日になりますように。では、行ってきます」
私はそう言って家のドアの鍵を閉めた。
私の温かい青春が今、始まる。
完
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