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「いえ、社長、マネージャーに責任はありません。私自身がこうなるとは思ってなくて、一番驚いているくらいなんです。」
「ははは。冗談ですよ。」
「社長、そういう冗談は、お止め下さい。
心臓に悪いじゃないですか。
私、首になったら困るんですから…。
それにしても、ひかるちゃん、ほんとに急展開だわね。」
「それは、私にも責任があったかなって、反省してます。在団中にあれだけ纏わり付いてたのに、仕事が軌道に乗るまではって、勝手に決めてしまって、関西方面での公演とかのチケットを送るだけで、ふたりで話もしてなかったですから。
流星さんは、教師という立場上、退団したからといって、自分からは言えないと思っていたみたいです。」
「劇団員とはいえ、華苑の場合あくまでも“生徒”という扱いで、師弟関係になるから、そう思ってしまうのも仕方がなかったのかもしれないですね。
まぁ、七杜君、安倍流星さんは、引退後も根強いファンがいたみたいですから、他の人に取られないうちに間に合ってよかったですね。
では、事務所に戻って、証人の署名をしないと、ですね。
園田さんは、年度末までの七杜君のスケジュールをもう一度確認して、手続きとか引っ越しとか、プライベートの時間を作れないか検討して見て下さい。」
「わかりました。」
「では、行きますか。」
事務所に戻ると、証人の欄に署名を認めて貰った。
「もうお一方の証人は、どなたにお願いしたんですか?」
「はい。華苑音楽学校の校長先生にご挨拶がてらお願いしました。」
「なるほど。そうでしたか。
改めて、おめでとう。七杜君。
いっそうの活躍を期待してますよ。」
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