五+三の恋人事情

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「冬吾っ、あたしが天然パーマなことを知ってるだろ、バーカ!!」  うねりのある長い髪の毛をギュッと掴む水萌を見て、冬吾は啞然としてその場に立ち尽くす。その間に水萌は走り出し、夕日の奥へと消えてしまった。  ……女心は難しい。校則で禁止されていないのだから、ストレートパーマくらい掛ければ良いのに。あれは水萌なりの甘えとか照れ隠しとかなのだろうか。  せっかくだから天パの治し方を調べてあげて、効果的そうな品を水萌の誕生日にプレゼントしようか。俺は別れることに対してイエスともノーとも言ってないからな!? 冬吾は自分自身でそう確認しながら、改めて駅へと向かった。  ……互いの最寄り駅なのだから、そこで冬吾と水萌が鉢合わせになったのはまた別のお話である。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加