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「冬吾っ、あたしが天然パーマなことを知ってるだろ、バーカ!!」
うねりのある長い髪の毛をギュッと掴む水萌を見て、冬吾は啞然としてその場に立ち尽くす。その間に水萌は走り出し、夕日の奥へと消えてしまった。
……女心は難しい。校則で禁止されていないのだから、ストレートパーマくらい掛ければ良いのに。あれは水萌なりの甘えとか照れ隠しとかなのだろうか。
せっかくだから天パの治し方を調べてあげて、効果的そうな品を水萌の誕生日にプレゼントしようか。俺は別れることに対してイエスともノーとも言ってないからな!? 冬吾は自分自身でそう確認しながら、改めて駅へと向かった。
……互いの最寄り駅なのだから、そこで冬吾と水萌が鉢合わせになったのはまた別のお話である。
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