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彼は地下鉄に乗り、目的地の東京駅へと向かう。
私は尋ねる。
「どうしてこんなことをするんだ。」
「決まってるだろう。憎しみなんてそう簡単には消せはしない。」
彼の声が頭の中に重く響く。
「だったら•••」
言葉を続けようとしたした瞬間、電車が急停止した。
太陽はほぼ真上に昇り、強い輝きを放つ。私が彼を川に投げ入れてから、1時間以上が経過していた。
その頃、川のほとりで釣りをしていたある男が、バッグが流れてくるの見つけた。中を確認した彼は、異様な物だと悟り警察に届けた。中には、病原体と綿密な計画のメモ。これらには厳重なカバーがしてあり、幸いにも割れてはいなかった。流石にこれを軽視することはできない。警察がバッグの中をさらに調べると、中のタグには持ち主の名前が記されている。
テロの危険性も考えられるため、事情を聞くために自宅を訪ねた。しかし、いくら呼び鈴を鳴らし、呼びかけても反応が無い。まるで気配を感じられない。川にバッグが流されていたこともあり、事故にあった可能性を考え、周辺の病院を当たる。
いつの間にか鮮明な青空は消え、厚い雲が光を閉ざしている。夕方を知らせる、不気味なチャイムが街に響き渡る。
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