月と闇

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「…まいったな」 月明かりが綺麗な夜。 鬱蒼と生い茂る暗い森で、大木にもたれ掛かりながら溜息と困惑を吐く男が一人。 身長は高く、体つきもそこそこ良い。 髪型はオールバック。 表情は険しい。これでもかと言わんばかりの眉間のシワを寄せており、最早溝になっている。 目つきもどちらかと言えば切れ長でとても鋭く、眼は硝子玉のようであった。 極めつけはタンクトップから覗く黒い模様。 それは肩から首辺りにまでしっかりと刻まれていた。 そしてピアスも幾つか付いている為、外見だけでは少々近付き難い風貌をしていた。 そんな彼が何故一人でこんな森にいるのか…… 肝試し、というわけでもなさそうである。
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