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配られた通信簿にはこう書かれていた。
【すぐに誰とでも打ち解ける性格です。
生活係や掃除など、真剣に取り組んでいる姿が印象的でした】
ーーよかった、普通だ。
俺は担任が書いたその言葉に、内心ほっと胸を撫で下ろしていた。
『何て書いてた、交換しようぜ』
それまで前の席でむっとした顔をしていた斎藤がそう言いながら自分の通信簿を差し出してくる。
彼の通信簿にはこう書かれていた。
【全く話を聞いていない事がよくあります。もっと周囲に関心を持てるようになりましょう】
言われてみれば、斎藤ってそういうところあるな。
そんなことを考えながら、俺は顔を顰めている斎藤の顔を盗み見た。
でも、少しだけ彼のことが羨ましいような気もする。
俺も他人の目を気にせず生きられたら。
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