チクチク雨

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 家に帰ったら「あの時こうやって言い返せたらよかったのに」と後悔の雨が降る。そのたびに私の目からは涙がこぼれ眠れなくなる。あの人の前で出なかった分、ボロボロ、ボロボロ、と溢れ出て、息が出来ているかわからないほど苦しくなる。  限界だ、と思った。  このまま私は傷つけられたまま限界になって死んでしまうのだろうか。自分の家に閉じこもったまま出られなくなるのだろうか。世界に出るのが怖くなってなにもできなくなってしまうのだろうか。  そんなの嫌だ  腹が立つ  せめて仕返しぐらいしたい  でもどうやって 「……もう、どうでもいいや」  そうえいば、私へのチクチクに対して「そうなんや~」と言っていた先生ばかり。「確かに」とうなずいていた人も多い。私の味方だ、と後から言ってくれるし「大変やね」と労ってくれるけど、結局はどっちつかずで私の気持ちは放置。私は味方がいるんだと最初は嬉しくて笑えていたけれど、ずっとチクチクに耐えていけるほど強い私じゃなかった。  結局は皆自分が大事。  それは私も一緒。  だから、自分を守るには自分しかいない。  それなら、それならもう。 「私は自分を守るために動いていいよね」  枕をたっぷり濡らしていた私は、時計の針が朝の6時を指しているのを見て起き上がる。  朦朧とした頭の中には、抵抗しよう、の文字ばかりが浮かんでいた。
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