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「何か、目を引くものがあるのかい?」  マスターの声がした。画面から顔を上げると、注文した飲み物が運ばれてた。 「……狂い咲き、です」  忘れられそうにない、という秋都くんの言葉が響く。  真っ赤な葉っぱに囲まれた淡い色の花は、弱くて、儚く見える。  それでも、負けじと頑張って咲いてるその桜の木のことが、とても、愛おしく思えた。 了
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