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『自分のためじゃない、これは……』
そこからはもう散々だった。
どうして仲が悪いのか、何を理由に私が会っても気分が悪くなるだけだと思うのか、いくら聞いても答えてくれず、そっちだって大事なことを話してくれなかったこともあるだろうなんて関係ない話も持ち出されて、結局「もういい」と、子どもみたいな捨て台詞を最後に解散した。その後に生まれたのは、ただ渦巻く不安。
言い方が悪かった? それとも言うのが早かった? こういう風につきあってまだ半年だし。
でも、知り合ってからなら確かもう四年だ。私がしばらく東京から離れていて遠距離にあった時間が長かっただけで……だからそんなに改めて構えるような仲でもないはずなのに。
じゃあつまり、これはただの拒絶で、彼の気持ちは本気じゃないということ?
そうやって怒る一方、断られたことに内心ほっとしてる自分もいて、私こそそんなことでいいのだろうか? と焦りや責任感に似たものを感じるのも、この痛みの原因のひとつ。
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