愛に一番近い感情

　なるべくなら関わりたくないのが本音だ。それでも、私まで漫画やネット上の体験談みたいに義母と上手くやっていけない、そういう要領が悪い女と思われたことに怒って傷ついてる。それもきっと大きいのだと思う。
　興醒めする。物書きは昂った自分の感情までも冷静に解説と理解の題材にしようとするのが悲しい業(ごう)だ。
　そこまで考えて、ふと気づく。
　義母。
　急に羞恥が体を巡る。
　気が早い。そんなところまで考えてたわけじゃないはずだけど、でも、そんな気がまったくないと言ったら嘘だと思うし、このまま一緒にいたいその願いが少なからずあるからこそあんな風に提案したわけであって。
　彼だって、そう思ってないとは言えないし……少なくとも、そう思いたい。でも……
　正式につきあい始めて、半年。少しずつ敬語も崩れて距離は近づいてきてるけど、進展はあるようでないのかもしれない。
　逸る気持ちをごまかすようにチラシの棚から目をそらし、メールとチャットアプリを開く。
　でも、チャットの画面を出すと、上部に表示されたＰＲ記事に気を取られてしまう。