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「蛟、悪いがまだ寝かせてやれねえ。良い声で啼けよ?」
「え…あ……んっ……」
返事をする前に、その場で押し倒され、彼の柔らかくも弾力のある唇で口を塞がれた。
間髪入れずに舌を舌で絡めとられ、貪るような口付けを交わす。
帰宅する直前に一服してきたのか、煙草の匂いをより強く感じた。
血と硝煙のない、いつもの京介君。
本当の姿はどれなのだろうと瞬間的に思ったが、今は目の前の彼に愛でてもらう事だけで十分。
彼がどんな姿であれ、俺は変わらず依存するだろうし、蹂躙されたって構わない。
傍に居させてくれるならどんな形でも喜んで従う。
この手に枷られた手錠のように、自身の心も京介君に枷られている。
まるで犬のようだが、京介君がそのリードを手放さないで居てくれるなら俺は犬でも何でも良い。
「京介君……大好き……」
蛟は心底嬉しそうな笑みを浮かべながら呟くようにそう言った。
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