散らぬ期待と提灯花

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カーテンの隙間から覗く薄明かりを見て、朝が来た事を知った。雀の声が聞こえる。 泣きすぎて腫れ上がった瞼が痛い。これでもかと言う程涙を流したのにも関わらずまた涙が溢れてくる。 いつからこんなに涙脆く、心が揺さぶられるようになってしまったのか。 そんな事を考えながら擦りすぎて痛くなってしまった目の際を親指で拭う。 両手に枷られた手錠の鎖が小さく音を立てた。 俺は今何処かのマンションの一室にいる。 何処かは未だにわからない。 両手は基本的に常に手錠で拘束されており、外に出るドアの鍵は取り外されている為、内側から開ける事ができない。 そう、俺は所謂監禁状態にある。 一人の男に連れ込まれ、それ以来外に出た事がないのだ。 でも俺は別に出られない事に対しては何とも思わない。唯一の不安要素はこの部屋の主が帰ってこない事。 朝が来ても一向に帰ってくる気配がない現状に俺は不安で押し潰されそうになっていた。
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