散らぬ期待と提灯花

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正直な話、悪い気はしなかった。 今まで生きてきて自分に対してそこまで熱を入れてくれる人は親含め誰一人居なかったし、彼との行為中もただ単に性欲を発散させるだけのものでない感覚があった。 何故抱かれているのかを考える間を与えてもらえない程に泣かされ、文字通り果てて寝てしまう程抱かれたが、翌朝は朝食を用意してくれていた。それもコンビニ弁当やパンではなく出来たての手料理。 上手く起き上がれない自分を心配し、声を掛けてくれる彼は店で見るいつもの姿だった。 単純な話だが、昨晩とのギャップに即落ちてしまったのだ。 以来、日を増す事に彼に惹かれていったし、彼も自身に愛情を注いでくれていた。 時折意地悪く強引な時もあるが、そんな部分も好きで仕方がない。 というより嫌いな部分なんて存在しない。 それ程に愛してしまった。
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