散らぬ期待と提灯花

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しかし、彼は警察としての立場がある。 当然俺に付きっきりというわけにもいかないし、この状況が世間に知られてもいけない。 故に彼は何食わぬ顔で何時もと変わらない時間に出勤する。そして俺は出勤して帰宅するまでは一人で過ごさねばならない。 定時上がりのサラリーマンと違い、彼の帰宅時間はバラバラである。早い日もあれば深夜になる事もしばしば。 そして朝方の帰宅も極稀にある。 連絡手段であるスマホも彼に破棄されてしまった為、彼の安否確認も帰宅時間も知る事ができない。 故に突然今日のような状況に立たされる時があるのだ。
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