散らぬ期待と提灯花

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雀の軽快な鳴き声が響く。 窓の近くを飛んでいるのだろうか。 ふと明るくなる前には何を聞いたかを思い起こしてみた。 確か新聞を配達するバイクの音、烏の鳴き声、早朝出勤するであろう人の家のドアの開閉音……そして雀の鳴き声と共に朝がやってくる筈。 その後はもう人々の声や生活音で溢れかえってしまう為、順番はよくわからない。 はしゃぐ子供の声、車のエンジン音、洗濯を広げ整える音、工事の音……全てが各々に奏で、部屋に籠り切りの俺に一日の始まりを告げる。 そういえば夜明け前はいつもこの順番だ。 思い返してそれらを記憶している事に気付いたが、だからと言って何にもなるわけではない。 単に無意識下では外の音を聞いていた事にほんの少し驚いただけ。 カーテンを開ける気にもならないので射し込む弱い陽の光を何となく見る。
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