ひたひた【完結】

★04. バキバキ

　あの。

　そんな、……まじまじと見ないで貰えませんか？

　あはい。一応、割れてはいます。そりゃそうでしょ。35年位……いや……もっとかな？　アホみたいに毎朝五時起きでランニングしてりゃあ、誰でもこうなるって。

　二日酔いで寝こけたはずの翌朝も、この年になると、きっかり五時に目が覚めるんだ。やんなっちまうよ。

　んで勝手にからだが動いて。おまえとクルミを起こさないようにベッドを抜け出る。

　朝の空気は気持ちがいい。こころんなかに溜まった澱みたいなもんが消え去る気がするんだ。しゃっきりと、気分が晴れ渡って……、青空が胸のなかに広がる。

　誰かに好かれたい求められたい、って気持ちは誰しも多少なりともあるもんだけれど。それ以前に、自分がしっかりしてなきゃな、って思う。

　ひとに認められたいのなら、いつだって、自分を誇れる自分でいたい。

　ランニングとかは、単に、それを思い出させてくれる手段で。……ま、瞑想、筋トレ、ヨガとか、ひとによって手段は色々だと思うが……いまんところこれが一番合ってるみたいだな……

　おまえといちゃこらしてぬくぬくする日常が。