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亡き妹
「今から私達、食事に行くんだけど、雪美はどう?」
「うーん、行かない」
小六の夏、ある日の夕方。家族は晩御飯を食べに行くらしい。だけど、私は行きたくない。なぜならここ最近、お腹があまり空かないからだ。今日だって昼食はご飯一杯でお腹いっぱいになった。
「じゃあ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい」
私は自分の部屋から家族を見送る。それから小学生になる時に買って貰った、引き出しが付いている勉強机の椅子に座って小説を読み始める。
私は幼い頃から本が大好きだ。小説は去年、母から進められた。その本がとても良かったのか、私はそれから読書が大好きになった。
プルルルル。
しばらく本を読んでいると、母から電話がかかってきた。
「はい、もしもし。母さん?」
どうしたんだろう?私は母の返事を待つ。
『あなた、自転車あるわよね?それで今すぐ最寄りの病院に来て。急いで!』
母はとても慌てた口調で私に言った。
「はい!」
潔く返事して私は電話を切る。
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