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どうして、こんな時に病院なんだろう?
もしかして、良からぬことでも起きたのではないか?
それではいけないと私は慌てて降ろしていた長い髪をポニーテールにくくって自転車に乗り、最寄りの病院へと向かった。
夜だからとても辺りは暗い。とはいっても、街灯が所々にあったおかげで、道に迷うことはなかった。
病院につくと、
「よかった。無事に来れたわね。それより大変なの。妹の病室へ向かうわよ」
母が受付付近で待ってくれていた。
「どういうこと?」
私は母に問いかける。
「ついさっき私達は大規模な交通事故に遭ったの。車が何台もぶつかりあって。それで妹が倒れたの。あの子、まだ小四なのよ。死なせるわけにはいかないんだから」
そう言いながら母は早歩きで妹の病室へと向かった。病室に入れば、
「お疲れ。きてもらってすまないな」
私の父が悲しい目で私を見つめている。
「そんなこと言ってる場合じゃないよ、父さん。大丈夫?鈴蘭」
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