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第三話
どれだけたくさん人がいても、ステージの上からきみを見つける。きみはいつも微笑んで、おれの演奏を見守ってくれるね。
おれが音楽を奏でるのは、きみのため。
帰る場所はオーバー・ザ・レインボウで、心のよりどころは、玲ちゃん、きみだよ。
それに気づいたら、今すぐにでも伝えたくなったんだ。
こんな遅い時間にメールを送ってごめん。もうとっくに寝てるよね。
着信音がきみの眠りを妨げませんように。
そう祈る一方で、一刻も早くこのメールに気づいてもらいたい気持ちもある。
どっちが本心なんだろう?
きみの朝は早いよね。そっちの雪はもう止んだ?
目覚めたとき、もし真っ白な世界が広がっていたら、きみのことを思いながら死にかけた莫迦な彼氏のことを思い出してくれ。
あ、心配しなくても大丈夫。ちゃんと生きてるし、風邪なんてひいていないからね。
ロケが終わってそっちに帰るのは、金曜日の午後になるよ。
玲ちゃんの部屋に行って、玲ちゃんが帰るのを待ってるから。
それまでは、夢で会おうね。
もう一度、おやすみ。
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