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下の世話にならない紫陽花と大祓
行きつけの、もしくは掛かり付けの
『神社』から
6月末・大祓の護符が返信されてきた。
本来ならば当日、神社で茅の輪を潜って
1年の邪気などを祓うのだけれど、
いかんせん平日となれば仕事な訳で。
有り難い事に、
遠隔でも郵送でお願いが出来る昨今。
毎年、紙の人型を郵送して
お願いをする。
あと、この6月末が近づくと、
この3年は紫陽花を買ってきて
『水無月』を食べるのが私のルーティンだ。
きっとその淵源は
節句に宮中で薬玉を飾る習わしからなのだろう。
大祓のある6月を起点に1年間
紫陽花に名前を付けて御不浄に吊るせば、
『下の世話にならない』とのいわれがあるから。
実は10年程、
母親の在宅介護をしてきた私。
その役目も母の永眠で終わりをつげた。
母の介護の大変から、
娘には『下の世話にならない様に』と
願いを込めて、話を聞いてから毎年
トイレに紫陽花を吊るすことにしている次第。
効果があるのか?といえば、
もっと長く一緒に居られると思っていた
母がコロナもあって他界したのは
青天の霹靂だったから、
どこか
『逆さ箒のまじない』が思いがけず
発令したような気分ではある、、、
とにかく
今年も紫陽花をトイレに吊るす。
紫陽花は大量に買うので、
ガーデンバルコニーにも飾る。
一気に窓の外に
紫陽花畑が出現するのも、
この季節の我が家の風物詩になった。
思えば
家中DIYで飾るようになったのも、
母の介護が、きっかけなのだ。
母を家で診る事になり
家の動線を変えざる得なかったから、
最初は実用的な介護的DIYだった。
言うなれば介護される側のDIY。
それが10年の間に
介護する側の気持ちも上げる↑DIYに
変化したのだから。
介護黎明期の頃から
突入した自宅介護。
用品や機器なんかも目覚ましく変化して
新しくなる度に
試したりもしたものだ。
介護ベッドなんか10年間に4度変えている
強者になったなあ。
左右タイマー寝返り機能付きや、
寝たままからソファーになる介護ベッドなんかね。
さておき、
なにせ1週間毎日介護サポートに
人が出入りする。
勿論、大変だから家の中なんて
構ってられなくなるけど、
ある日気が付いたんだよね。
在宅介護で買い物に出掛けるにも
制限ある中では、
外出なんて二の次。
でもそれで母も、自分もいいのか?って。
最初の介護3年は、
いつ夏や冬になったか解らないぐらい
余裕が無かったのが現実だった。
それが、
だんだん車椅子でも外出が難しくなる
母親が、窓の外を見るのだ。
そうなると心苦しくもなるし、
自分の心も荒れていく。
介護に家事、在宅に切り替えた仕事と、
三つ巴な状況が家1つの空間に
押し込められて息苦しくなったのが4年目。
それを変えた最初は
丁度はじまった、介護助成金での改築だ。
マンションの押入れを取っ払い。
それに壁をなくす、スケルトンリビング。
まさに
リビングで介護を始めれる仕様にした。
ただそれだけだけれど、
気持ちは大きく変わった!
各部屋の窓がスケルトンになると、
全部繋がって、
バルコニーが全面見える。
それまで物干しぐらいにしか使わない
バルコニーが、第2のリビングになって
現れたんだから。
そこからセルフDIYをスタート。
毎日に介護ケアに来る
看護師さんやリハビリ師さんが
「段々別の所に来たみたいになりますね!」と
驚く程だ。
母が旅だった後も日々続いている。
今では家が1番の居場所で、
1番四季を感じる処にもなった。
相変わらず
家事も仕事もしながら生きている私が、
テンションを上げたり
癒やされたりしながら家で過ごせるのは
自分の好きな様に飾る空間があるから。
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