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そして、そんなわたくしに追い打ちをかけるような事をゼウス様がなさいました。
なんと、わたくしの事を気に入ったからと夜這いをかけてきたのです!それも何度も!!しつこく!!!
皆様想像してみて下さいな。
自分が恋焦がれる人に言い寄られたら、当然嬉しいですわよね。喜んでその身を捧げたいって思いますわよね?
でも心を鬼にしてきちんと断りましたわ!
だってわたくし、結婚と女性、そして家庭を司る神ですのよ。そのわたくしが妻のいる男性と関係を持つなんて有り得ませんわ。
執拗いくらいに何度も迫られましたけど、ここは絶対に譲れないんですの。
じゃあなんでそんな男性と今、結婚式を挙げているかって?
それは……そう、数ヶ月前の事。
いつものように森を散歩していた時ですわ。
突然雨が降ってきましたの。
どこか雨宿り出来るような場所はないかと当たりを見回していたら、道端でカッコウが濡れそぼっているではありませんか。
近づいてよく見たらケガをしているのか、羽を広げてぐったりとしているのが可愛そうで、寒いだろうと胸元に入れて急いで家に帰りましたの。
『カッコウさん、大丈夫? 今ケガの様子を見てあげるわね』
カッコウをベッドへ寝かせてあげようと、胸元から取り出したところでビックリ!
両手に収まるサイズだったカッコウがみるみるうちに大きくなって、人の形になったのです。
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