4人が本棚に入れています
本棚に追加
ふふ、どれも面白い逸話があるのですよ。
まずこの青年ですね。学生なのですが、ある不運に見舞われて亡くなってしまったのです。ご学友と一緒にね。ええでも、綺麗な顔をしているでしょう。
でもねえ、死ぬ間際には恐ろしいものを見たそうで、死亡直後はそれはそれは恐怖に歪んだ表情だったのだそうです。斧で切りつけられた痕もあったのですよ。
なんで知っているかって?ふふふ、さあねえ。
ああ、この彼もお気に入りです。ずっと家に籠もっていたので、ちょっと不健康気味な顔つきなんですけども。でも、死ぬ直前は少しずつ改善されていたようなのですよ。
残念なことに、ええ、彼も亡くなってしまったのです。ただ亡骸の方はほとんど回収できなくてですね。何かにまるごと食べられてしまったみたいなのです。
ただ、その何かっていうのが分からないのですよね。獣には見えないですし、まるで宇宙から飛来してきた他の生命体みたいな、奇妙な歯型がついておりました。
不思議ですよねえ。そういえば、不思議といえば彼もずいぶんと奇妙な亡くなり方をされていて。はい、彼ももう鬼籍に入っていますよ。
同棲していた女性の側で胸を撃ち抜かれて亡くなっていたのですよ。しかも近くには銃が落ちていて、住んでいた家の奥の方には、射撃訓練場と思われる部屋がありましてね。
住んでいたお国は戦争中ではなかったはずでしたが、なかなかに物騒なお家でしたね。隣で亡くなられていた女性・・・・・・恐らく彼女さんでしょうが、彼女も、心臓の真上を銃で撃ち抜かれていました。
奇妙なことですよねえ、彼女さんと一緒に同じ死因で亡くなるなんて。お蕎麦が好きだったらしいので、ただの洒落かも知れませんが。
そんなことはないですよね。
最初のコメントを投稿しよう!