AIの完璧なお仕事!

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AIの完璧なお仕事!

 僕たちが通う大学で、レポートの課題が出た。●●町の都市計画について書け、というもので文字数下限がなんと二万文字である。締切も短いのに、キツイなんてもんじゃない。  しかも大学の先生は、こんなことを付け加えたのだった。 「最近AIに執筆させて提出させる馬鹿がいるが、絶対駄目だからな!あれは似たりよったりの文体になるからすぐわかるんだ。もちろん、インターネットで調べた文章をそのままコピペするのも禁止!自分でちゃんと書かなかった奴には単位をあげないぞ!」 「ええええええええええええええええええ」 「えええ、じゃない!当たり前だろうが!」  僕と友人たちは困った。大いに困った。一週間で二万文字も書けるほど僕たちの筆は早くない。いくらなんでも無謀というものだ。  しかし、AIに頼ってバレたら単位を落としてしまう。そこで。 「似たりよったりの文になるからバレるって先生は言ったよな?じゃあ、過去に僕たちが書いた文章をAIに学んでもらって、それで執筆してもらうのはどうだ?」 「おおおお、ナイスアイデア!」  僕達は過去に書いたレポートや小説、ありとあらゆる文書を片っ端からAIに読み込ませた。そして学習してもらった上で、このような指示を出したのだ。 『これらとそっくりな趣向、文体、文章力、文章レベルで!●●町の都市計画についてレポートを書いてくれ!』  優秀なAIアプリは、すぐに仕事をしてくれた。ちょっとした文書の癖まで完璧にコピーして、僕と友達のレポートをそれぞれ完成させてくれたのである。  これならイケる、そう思っていた。しかし。
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