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「しかたないやい。ジャスティで仮装してたら、哲哉がライブするのがばれるだろ。目的を達するためには、徹底しなきゃ」
悠の言葉に、哲哉は肩をすくめた。
☆ ☆ ☆
今日はハロウィン。週末と重なったこともあり、あちらこちらで仮装パーティーが行われる。
ライブ喫茶ジャスティも客たちの強い要望により、パーティーをすることになった。
会費制の立食パーティーだが、それで終わらないのがジャスティだ。
途中でライブを行おうと、オーナーは考えた。そこで哲哉たちにも打診があった。
哲哉は、オーバー・ザ・レインボウのリードボーカルだ。知名度のあるロックバンドがくることを告知すれば、ファンがおしかけるのはまちがいない。
だがジャスティのような小さなところに大勢でこられては、常連たちの居場所がなくなる。
自分が参加することで、場を混乱させるのは避けられない。出演をあきらめかけていたら、悠に仮装を勧められた。
おまけに、フィルムメーカーの腕の見せどころだと、メイクその他をしてもらうことになった。
「プロ顔負けだよ。アマチュアとはいえ、映画監督はちがうな」
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