盲目の女神

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盲目の女神

 物の化け物で物の怪だ。  富の神は目が見えない。ヘラクレスはプルートスを無責任だと罵っている。  お前は選ぶ人間をよく間違えると。  幸運の女神には後ろ髪がない。判断が遅いと捕まえられないからだ。  女神の髪の毛掴むの?怒られない?  そんな話をまとめたように作られた前髪だけのモヒカンで盲目の女神像があった。その女神像ははぐれ陰陽師として生きていた娘に福の神として魂を込められた。  ただ信じてもらえない。信じてもらえないと力が出せない。  ふらふらと彷徨っていたら女神に猫が近づいてきた。  猫は空腹でふらふらだ。 「私を信じるか」  女神が聞くとにゃあとなく。 「まかせろ」  女神が猫を撫でると、一人の女が近づいてきた。  可哀想ねと猫缶を置いていった。 「開けていけや」  女神が毒づき猫缶を開けた。  仲良く食べた。  猫から信用されたので女神の力が強くなった。  櫛を手に入れ猫を綺麗にしてやった。うまく刺し身や寿司を手に入れられるようになった。  それを仲良く食べた。  猫は世界がどんな姿か女神ににゃあにゃあと教えた。  猫が死んだ。  寿命だ。  女神は猫を撫でる。一人の男が近づいてきた。  可哀想にと猫と女神を火葬場まで運んだ。  猫と女神は仲良く灰になったのだった。
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