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「あ、うん、猫が大好きです」とわたしは答えた。
「そうか、ならきっと、わたしと気が合うね」
おばあちゃんはにこっと笑った。わたしはおばあちゃんのその柔らかい笑顔と服装を交互に眺めた。
「お嬢ちゃんどうかしたの?」
おばあちゃんは不思議そうに首を横に傾げた。
「あ、えっとその‥‥‥おばあちゃんの服装変わってるなと思って」
だって、おばあちゃんは真っ白なランニングシャツに派手なピンク色のハーフパンツ姿なのだから。そして、足もとはわたしの目の前にいる牛柄ちゃんと似た猫柄のサンダルを履いていた。
「あら、この服似合わないかしら?」
「ううん、そんなことないです。似合ってます。ただ、おばあちゃんなのに派手かなと思って」
「うふふ、わたしは着たい服を着てるのよ。年齢なんて気にしないのよ」
おばあちゃんは口元に手を当てて笑った。なんだかよくわからないけれど、それっていいかもしれないなと思った。
牛柄猫のサンダルわたしも履きたい。
「あ、そうそう丸ごと買ったスイカがあるのよ。お嬢ちゃん良かったら食べていかない?」
おばあちゃんはそう言ってにっこり笑った。
「わっ、スイカですか! 食べたい」と答えてから知らない人のお家でスイカなんて食べさせてもらっていいのかな? と、気になった。
だけど、おばあちゃんの次の一言で思わず「はい、食べていきます」と言ってしまった。
それは。
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