40人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん? お嬢ちゃんどうしたの?」
おばあちゃんはスイカをかじりながらこちらを向いた。
「あ、えっと、おばあちゃんにも少女時代があったんだな~って思ったんです」
わたしがそう言うとおばあちゃんは、口を大きくあけてあははと笑った。そして、「そりゃあわたしにも少女時代があったよ」と言った。
「あはは、ですよね」
「可愛い女の子だったわよ」
「えっ! そうなんですか?」
「あ、疑っているのね? まあ、今は皺くちゃばばあだからね」
おばあちゃんはそう言ってうふふと笑う。
「皺くちゃばばあなんてことないですよ。おばあちゃんのお肌つるつるだもん」
それはお世辞ではなくておばあちゃんのわりに皺が少ないかなと思った。それになんかつるつるなんだもん。
「あらあら、それは嬉しいこと言ってくれるわね。あ、そうだ、おまんじゅうあるから食べるでしょう?」
おばあちゃんはわたしが返事をするよりも先に立ち上がり部屋の奥に行ってしまった。
なんだかせっかちなおばあちゃんだなと思った。
そして、雑草がぼうぼうに生え放題の庭をぼんやり眺めていると牛柄ちゃんがわたしの足元に座っていた。
「牛柄ちゃんスイカ美味しいよ」と言うとわたしを見上げにゃんと鳴いた。
「あはは、もう可愛いね~牛柄ちゃんスイカ食べる?」
牛柄ちゃんはわたしを見上げにゃんにゃんと鳴いた。
「じゃあ、ちょっとだけだよ。どうぞ~」
わたしは牛柄ちゃんにスイカを差し出した。すると、牛柄ちゃんはスイカをじっと眺めたかと思うとぱくっと食べた。
「わっ、牛柄ちゃんスイカ食べるんだね」
牛柄ちゃんはスイカを美味しそうにもぐも頬張っていてキュートすぎるよ。一生懸命スイカを食べている猫って最高だよ。
にゃははとなぜだか猫笑いになってしまったわたしは、ふと隣を見た。すると。
最初のコメントを投稿しよう!