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仁科佐和子を追いかける
創作活動をする者にとって、他者との比較は避けられないものだ。
よくネット上で「他人と自分を比較しても仕方がない」という趣旨の言葉を見かけるが、それは理屈に過ぎない。
「仕方がないこと」をしてしまうのが人間である。理性で完全に本能を統制することは不可能だ。
『仁科佐和子』
この小説家の名前が僕の視界に入るたびに心が疼く。
どうしようもない力量の差に絶望しつつも、なぜか彼女に魅了されてしまっている。
僕の理性は必死に抗っているが、心の中にできた底なし沼から、「彼女に跪いてしまえ」という誘惑の声が聞こえてくる。
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