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「カンパーイ」
辛島田さんと焼き鳥さんでのデートが始まった。
私はレモンサワー、辛島田さんはビールを頼んだ。
気持ちは初デートにしてはやっぱり優れない。
「今日は何されてましたか?」
辛島田さんからの質問がきた。
「ネイル…」とだけ答える。
「本当だ、爪綺麗ですね〜!他には何したんですか〜?」
辛島田さんが会話を広げようと頑張る。
「…べつに、特に何も」
私はまた素っ気なく答える。
「そうなんですね、あみさん忙しそうだったから今日はゆっくりできてよかったですね!」
辛島田さんはもともと妙にテンションが高いが、私の極端なまでに低いテンションに明らかに動揺している。
私は、辛島田さんと次のデートがないように。
嫌われるように意図的に素っ気なくしていた。
私が全く自己開示しないし、話の展開があまりにもないからなのか、辛島田さんは自分の過去の話などを話し始めた。
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