幸せな日

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幸せな日

 結婚を決めた日、ホテルに泊まった篤史と夏美。    そしてそれは、ただただ幸せな時間だった。  傷は、本当にただの傷だ。  幸せになることを諦めることじゃない。  篤史に抱きしめられながら、 「傷は、どんな傷でも、頑張った証だよ」  そう言われて、夏美は涙が溢れた。  頑なに拒絶していたこと。  諦められなくて苦しかったこと。  色んなことが思い出された。  何よりも、辛くて辛くて、自分で自分を抱きしめてあげた事。  孤独との戦いの中で、『あなたには私がいる』そう言って、自分で自分を慰めていた。  愛することを、幸せになることを、諦めなければ、こんな風に、いつか笑える日が来る。  夏美は、篤史の隣で幸せな気持ちで眠りについた。
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