5人が本棚に入れています
本棚に追加
幸せな日
結婚を決めた日、ホテルに泊まった篤史と夏美。
そしてそれは、ただただ幸せな時間だった。
傷は、本当にただの傷だ。
幸せになることを諦めることじゃない。
篤史に抱きしめられながら、
「傷は、どんな傷でも、頑張った証だよ」
そう言われて、夏美は涙が溢れた。
頑なに拒絶していたこと。
諦められなくて苦しかったこと。
色んなことが思い出された。
何よりも、辛くて辛くて、自分で自分を抱きしめてあげた事。
孤独との戦いの中で、『あなたには私がいる』そう言って、自分で自分を慰めていた。
愛することを、幸せになることを、諦めなければ、こんな風に、いつか笑える日が来る。
夏美は、篤史の隣で幸せな気持ちで眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!