神誓王国侵攻編① 伝令と門番

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 それに、第二王子派閥の者に襲われても平気な人材として王宮近衛騎士が上がるのは当然のところだろう。  同格の王宮近衛騎士以外には遅れをとることはそうそう無いはずである。  かつて、ガルンの姉弟子が王宮内部を我が吹く風で往き来していたのは例外中の例外と言えよう。  王宮近衛騎士団の信用度は高いが、やはり派閥は存在する。  特に直々に成聖兵装(サクラメント)を承った者は、その王族に麾下する傾向がある。  その中でのチョイスとしては致し方ない人材なのであろう。  一抹の不安を補正させるためにアベルを付けさせたのが最大の譲歩だと伺える。 「仕方がない。少し揉んでやる」  ガルンは時間の無駄を嫌って、ヴェイルに一撃を入れることにした。  ゆったりとしたモーションから背中の妖刀を引き抜く。   それを見て、ヴェイルは露骨に落胆したような表情を浮かべた。 「えっ、ちょいちょい。それ噂の炎の魔剣じゃないよね? 俺に倒された時に本気じゃ無かったとかやめて欲しいんだけど」  
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