プロローグ

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 ガルンは小瓶の蓋を閉めると懐にしまい込む。  ポーションはあと二粒残っている。  代用が利かない逸品だ。  大切に使わなければならない。  アズマリアがそんな大事なものを貸し与えるなど本来有り得ない事だが、それだけ切羽詰まった状態だと言っているようなものだろう。  後はフロントに置かれた黒いヘッドギアだ。  手に取ると、軽いながらも丈夫な出来だとすぐに分かる。  手触りとは別に妙な感覚が襲ってくるが、精気を吸い取られるブラッド・ソード類とは別の違和感だ。  何か視界に靄がかかるような感覚に似ている。  どちらにしろ通常ではお目にかかれない類だと言う証拠だろう。 「こいつは、以前のお前の保護者が発掘して来たモノだ」 「保護者?」  誰の事を言っているのか思い当たらない。  怪訝な顔のガルンを見てアズマリアは深い溜め息を吐いた。 「お前には、お前の崇拝者と言った方が分かり易いか。いや、頭がお花畑の奇特なエルフと言うべきか?」   その説明で漸く誰のことを指しているのか理解できた。  あの発掘好きのエルフ神官は、今でも古代遺跡を回っているのだろう。  
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