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「お前がメルテシオンに帰ってこない経緯はあやつらには話してある。その理由もな。それで、探し当ててきたのがこの古代秘宝ドレッドノートだ」
「おそれ知らず《ドレッドノート》?」
「対精神汚染防御の優れものだ。本来は竜の咆哮や、死霊術師の怨霊攻撃などを防ぐために使用されるモノだ。これをはめている者はデメリットとして恐怖心が消え去る……が、お前にはそもそも意味がない感情だろう」
人を何だと思っているのだと心の中で毒づくが、ガルンはそこはスルーする事にする。
吸血鬼の懇願不遜な性根につき合うのは、時間の無駄だと長年の経験で身に染みついている事だ。
「今更、そんなモノに何の意味がある? 精神制御ぐらい俺は普通に出来るぞ」
「これはお前のためのモノではない。周りの人間達用の防衛策だ。このドレッドノートの効果は外側からの影響を防ぐだけではない。内側にも効果がある」
「内側……」
そこで、ガルンは何を意図しているのか合点が行った。
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