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「時間がない。直ぐに始めるが……また黒い炎を出してくれるなよ?」
アズマリアはそう言うと瞳が赤々と輝き出す。
その姿に既視感を感じてガルンは昔のことを思い出す。
あの時も、アズマリアはパリキスの盾として危険なモノを極力排除しようと働いていたのだろう。
ならば、自分は初めからパリキスにとって危険な存在だったのかもしれないと、淡々と考える。
『それだけは違う』
どこかでパリキスの声を聞いたような気がした。
だが、意識がまた微睡んでいく。
精神防壁を可能な限り解かなければならない。
その反動と魔眼の効力が意識を混濁させていく。
やはり、アズマリアの魔眼とは相性が悪いらしい。
意識が暗闇に飲まれるのは時間の問題だった。
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