神誓王国侵攻編① 伝令と門番

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 その刹那、煙を切り裂いて長く伸びた紙の刃が背後から迫る。  ガルンはそれを不可解そうな顔でしゃがんでやり過ごす。 (センスの問題か? 敵の死角に回る動きが卓越している)  チャクラ感知で動きを追っていたが、それを欺くような身のこなしは脱帽するレベルだ。  もしかしたら気配を置いて(・・・・・・)動く技法でも身につけているのかも知れない。 「やるなヴェイル。これなら直ぐにでも王宮近衛騎士団のトップクラスに入れるぞ」 「いやいや、そんな狭い集団で括らないでくださいよ。実際今まで戦った敵と比べたら俺はどのくらいですか?」  蒸気の中から声がするが、声が反響して音から位置が把握できない。  ガルンは刀を構えるとゆっくりと瞼を下ろした。 「中の上と言ったところか」  そう呟くと、目にも留まらぬ早さで右側の水蒸気の中に飛び込む。 「うおっ?!」  そう思わず声を漏らしたのはヴェイルである。  何故か位置を完全に看破されて、ガルンが猛然と刀を振り下ろして来たのでは仕方がない。  すぐさま防御用の紙の盾を構築する。   
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