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そう言いながら小瓶に手を伸ばす。
全く躊躇う様子もなく蓋を開けると、一粒を手のひらに転がした。
サイズはビー玉程度だか、それを水も使わず嚥下する。
「ふむ。それはポーションを造る工程で生まれた副産物だが、ポーションとは言い難いものだ」
「はあ?」
呑んでから言うなとガルンの顔には書いてあるが、アズマリアはお構いなしだ。
「実際、それはポーションと言うより霊薬に近い代物だ。体力、気力、怪我、全てが回復している筈だ。腕がもげても回復するかはやってみなければ分からんが、常備薬だと考えれば破格の値段がつく代物だろう」
そう言われて、ガルンは身体に纏わりついていた疲労の重さが全て消え去っていることに驚く。
チャクラ二つを怪我の治療に当てていたが、それをする意味が全くない。
完全に回復していると実感できる。
限りなくエリクサーに近いポーション。
そんなものは常識外も甚だしいが、パリキスの膨大な神霊力が塗り込まれていると考えれば納得するしかないだろう。
道具屋にでも売り払えば、数年は何もしないで贅沢三昧出来る金額は得られる筈だ。
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