4 菜月、幽体離脱を試みる

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 菜月の目に、どこから現れたのか、淡く光る発光体がふわりふわりと横切っていくのが見えた。  蝶?  それは藤白の目の前でひらひらと舞い、次の瞬間、ぼっと音をたて、蒼白い炎となって勢いよく燃え上がった。 「ひ!」  驚いた藤白は菜月から離れ、後方へと尻をついて転がる。  転んだ衝撃で藤白の手からナイフが落ちる。  菜月は唇を震わせた。  目の奥が熱くなる。  翔流が助けに来たのだと確信する。 「翔流くん……来てくれた」  菜月の呟く声とともに、派手な音をたて玄関の扉が開け放たれた。 「菜月!」  征樹と翔流の声が同時に響く。
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